分析化学
Print ISSN : 0525-1931
イオン交換樹脂によるカドミウム地金中の亜鉛の定量
分析におけるイオン交換樹脂の利用(第7報)
桂 鉄雄
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1962 年 11 巻 1 号 p. 34-37

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抄録
高純度カドミウム地金中の亜鉛の分析法を研究した.カドミウム地金を硝酸に溶解し,チオ硫酸ナトリウム溶液の適当量を加えたものをナトリウム形陽イオン交換樹脂に通すことによって,カドミウムは流出するが,亜鉛は樹脂に交換吸着されることを見出した.亜鉛は2M塩化ナトリウム溶液を通すことによって溶出するが,この現象を亜鉛の放射性同位元素を用いて検討した.溶出した亜鉛をジチゾン法で定量し好結果を得た.
この方法により,5gの試料から約0.2ppmまでの亜鉛を定量できる.なお,水素形陽イオン交換樹脂を用い,塩酸濃度の差を利用してカドミウムと亜鉛を分離するJIS法について,樹脂の粒度と流速が両者の分離におよぼす影響を検討した.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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