Fe-Fe2+-Fe3+ の3成分よりなる酸化鉄はその組成により電磁誘導起電力が異なることに着目,酸化鉄組成と誘導起電力の相関性,再現性,ならびに誘導起電力に影響を与える各種要因につき検討を行ない,組成と誘導起電力の間には一定の規則性が存在し,同一試料についての起電力測定値の精度が1%以内にあること,Fe%は誘導起電力にかなり大きな影響を与えるが,比体積を併用することによりかなりの精度で酸化鉄組成を測定できることを認めた.この結果を応用し,従来の化学分析の補助手段として十分に実用性を有する酸化鉄の簡易分析法を考案した.本報においてはFe2+%/Fe3+%≧0.5の場合について報告する.