分析化学
Print ISSN : 0525-1931
最近の発光分光分析-1
鎌田 仁訳
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1963 年 12 巻 1 号 p. 73-85

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抄録

ここ数年間に発光分光分析の技術と理論は著しく進歩した.そうして機器と技術の改良のみならず,全く新しい励起方法,たとえば,プラズマジェットとか,gass tabilized dischargeとか,マイクロ波放電なども開発されたし,また,新たに開発されたスペクトル線発生時の時間解析法によって,スパークごとのμsec程度の時間内のスペクトル線の挙動を観察することができるようになり,この時間解析スペクトル(time resolved spectra)によって,スパーク放電の間の励起過程が明らかにされてきた.このような,また他の多くの研究開発によって,発光分析の応用面は著しく広がってきている.
さて,これらの新しい発展の全容をほんの少しずつ論ずる代わりに,私の興味ある,また私の研究室で行なっている問題,すなわち,「放電と炎光がその化学的なふんい気によって変化した際,スペクトル線の強度が著しく強められる」という問題に重点を置き,特に(1)希ガス中での放電による励起の特性と分析への応用,(2)acethyleneを過剰に入れたoxyacethyleneの炎光(fuel rich oxyacethylene flame)の励起の特性と分析への応用について述べる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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