分析化学
Print ISSN : 0525-1931
トリフェニルメタン色素を用いるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの吸光光度定量法
斎藤 俊英小篠 善雄土師 正子近藤 五郎
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1963 年 12 巻 12 号 p. 1179-1183

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抄録

トリフェニルメタン系色素に属するメチルバイオレット,マラカイトグリーンおよびブリリアントグリーンを用いて,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS)の抽出光度定量法を研究した.
DBSはグリシン緩衝溶液にわいて,これらの試薬と反応しベンゼンに抽出されて青色を呈する.
pH,グリシン緩衝溶液の濃度,試薬の濃度,温度などが抽出に及ぼす影響および呈色の安定性について検討した.ついで,種々の抽出溶媒および共存塩の影響を調べた.
実験の結果,メチルバイオレットに対しては600mμ,マラカイトグリーンに対しては635mμ,ブリリアントグリーンに対しては645mμの吸収極大において,30μg/15mlベンゼンまでのDBS濃度と吸光度との間に直線関係が得られた.
ブリリアントグリーンを用いる抽出光度定量法は,メチルバイオレット,マラカイトグリーン,メチルグリーンなどを用いる方法よりはるかに感度が高く,微量DBSの迅速定量法として適用しうる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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