1964 年 13 巻 12 号 p. 1227-1231
工業用ノニルフェノールのo-およびp-異性体を分別定量するため,薄層および溶出クロマトグラフィーを試みた.その結果,薄層クロマトグラフィーにより二つのo-異性体と一つのp-異性体を迅速に分離検出できることを明らかにした.
薄層クロマトグラフィーから得られた条件で溶出クロマトグラフィーを行ない,二つのo-異性体と一つのp-異性体を分別定量した.さらに分別したo-異性体部分をふたたび溶出クロマトグラフィーすることにより,オレフィン高重合物,モノアルキルベンゼンおよび二つのo-異性体を分別した.二つのo-異性体の相違は,分子量測定および赤外線吸収スペクトルのOH吸収帯の位置から,アルキル基の分枝度の違いにあると思われる.