抄録
線源としてRaD約100μcを内蔵したα線イオン化検出器を用いて,Molecular Sieve 5Aで分離した無機ガスを定量するための装置として,ガス試料減圧希釈装置,直流定電圧,インピーダンス変換器を作成した.次にこれらの装置を用いて,水素,ヘリウム,アルゴンおよび1,2,4,5-テトラクロルベンゼンを含むアルゴンの4種類のキャリアーガスについて,基礎実験を行ない,検出器への印加電圧と感度の関係,キャリアーガスの流速と感度の関係を調べ,おのおのの実験結果について考察を行なった.この結果試作した一連の装置で,キャリアーガスの種類,流速,検出器への印加電圧などの諸条件を適当に選んで,作動条件を変えて測定することにより酸素,窒素についておのおの,4.5×10-10mol,2.7×10-9molの極微量から5×10-4mol以上にわたる広範囲の定量が可能であった.