分析化学
Print ISSN : 0525-1931
チオセミカルバジドによる水中の銅(II)の吸光光度定量
森本 昌宏平古場 朗
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 14 巻 11 号 p. 1058-1061

詳細
抄録

チオセミカルバジドが酸性領域で銅(II)と安定な水溶性青色の錯体を生成することを利用して水中に含まれる銅(II)の吸光光度法による定量を試みた.錯体は356mμと700mμ付近に吸収極大を有するが,特に356mμ付近での吸収はきわめて大きく,この波長を用いれば0.5ppmから20ppmまでの銅イオンはベールの法則に従い,±2.1%以内の誤差で定量可能であることを認めた.定量に及ぼす共存物質については10種類の化合物を用いて検討した結果,鉄(III)が紫かっ色の錯体を生成して妨害する以外には著しく大きな妨害を示すものはきわめて少なかった.また,モル比法および連続濃度変化法により求めた錯体の結合比は銅(II)1に対し試薬2であると推定された.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top