分析化学
Print ISSN : 0525-1931
金属酸化物の赤外吸収スペクトル
赤外吸収スペクトルの鉄鋼研究への応用(第1報)
神森 大彦山口 直治佐藤 公隆
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1967 年 16 巻 10 号 p. 1050-1055

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抄録

赤外線分光分析法を鋼中析出物介在物分析,腐食生成物あるいは鋼板表面処理などの研究に応用するため,さしあたりアルミニウム,カルシウム,セリウム,コバルト,クロム,銅,鉄,マグネシウム,マンガン,ニッケル,鉛,スカンジウム,ケイ素,スズ,チタン,バナジウム,イットリウム,亜鉛およびジルコニウムの酸化物あわせて25種の赤外吸収スペクトルを検討し,主としてこれらのスペクトルの傾向と結晶構造との関連性について考察した.
方法として臭化カリウム錠剤法とNujol paste法を併用し,測定は1400~400cm-1(約7~25μ)の範囲で行なった.また一部の酸化物については400~60cm-1(25~約167μ)の遠赤外部のスペクトルについても検討した.
その結果,これらの酸化物はそれぞれ測定領域内で特長ある吸収を示し,ベルトリド化合物,スピネル型化合物などのグループにより結晶構造と関連づけるとスペクトルをある程度系統的に分類できることがわかり,さらに今後の定性的かつ定量的応用研究への見通しを得た.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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