分析化学
Print ISSN : 0525-1931
けい光X線分析法によるポリエチレン中の灰分元素の迅速定量法
林 正寿菅原 浩二寺西 清
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1967 年 16 巻 12 号 p. 1328-1335

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抄録

高密度ポリエチレン中の灰分元素(アルミニウム,塩素,チタンおよび鉄)を迅速に分析するため,けい光X線分析法を適用し,良好な結果を得た.
まず,特に残留灰分の少ない高密度ポリエチレンの粉末に酸化アルミニウム,塩化ナトリウム,酸化チタンおよび酸化鉄の微粉末をそれぞれ所定量配合した標準試料を調製し,これらの標準試料を使用して各灰分元素の検量線を作成した.
試料の分析にあたっては,粉末状のポリエチレンでは圧縮成型法により錠剤とし,ペレット状のポリエチレンでは加熱圧延法によりプレスシートとして測定に供した.
本分析法の定量範囲はそれぞれ下記のとおりである.
アルミニウム:濃度範囲50~400ppmでσ=11~2%
塩素:濃度範囲50~400ppmでσ=4~2%
チタン:濃度範囲3~100ppmでσ=18~2%
鉄:濃度範囲1~100ppmでσ=24~2%
また,本分析法は分析所要時間が従来の化学分析法あるいは他の機器分析法に比較し大幅に短縮することができ,ポリエチレン中の灰分元素の迅速定量法として非常に有効な方法であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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