1969 年 18 巻 11 号 p. 1344-1347
市販の殺ダニ剤24種について,電子捕獲ガスクロマトグラフ装置を用いて4種のカラム充てん剤,2%PEGA,5%DC-11,2%QF-1,10%SE-30におけるピーク面積,保持時間を測定した.ピーク面積感度は固定相によりまちまちであるが,一般にSE-30,DC-11,PEGA,QF-1の順に高かった.感度の高い化合物はキノキサリン系と有機塩素系のイオウ原子を含む化合物であり,低いのは有機塩素系のイオウ原子を含まない化合物であった.保持時間はCPAS,アゾキシベソゼン,FABBは短く,テトラジホン,プロモプロピレートは長かった.4種の操作条件を用いて20種の殺ダニ剤の相互分離ができた.ケルセンなどでは0.5~40nanogramの範囲で濃度とピーク面積との間に直線関係が成立し,定量が可能である.