分析化学
Print ISSN : 0525-1931
有機リン農薬の熱イオン型ガスクロマトグラフィー
川原 哲城後藤 真康柏 司
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1969 年 18 巻 6 号 p. 698-703

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抄録
市販されている有機リン農薬43種について熱イオン型ガスクロマトグラフ装置を用いて3種のカラム充てん剤2%PEGA,10% DC-200,2% QF-1におけるピーク面積,保持時間を測定した.ピーク面積感度は固定相によってまちまちであり,一般にDC-200,PEGAがQF-1よりも感度がよかった.保持時間はphosphateが短く,phosphonateが長いが,phosphorothioate,phosphorodithioateでは一定の傾向はなかった.キャリヤーガスとして窒素よりヘリウムを用いたほうが検出感度がよかった.金属塩融着剤として塩化カリウムを用いた場合,感度は最高であった.3種の操作条件で40種の有機リン農薬を相互に分離できた.昇温ガスクロマトグラフを用いることによりさらに分離能は増大した.感度,ピークの形状からみてそれぞれの化合物に適する条件を定めた.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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