抄録
鉛合金を直接・有機溶媒(サリチルアルデヒド)で溶解し,有機溶媒のまま直流ポーラログラフィーによる鉛の定量方法について研究した.
その結果,試料10mgをSA20mlで加熱溶解し,得られたSA溶液にアセトニトリルおよび過塩素酸リチウムを加えて電解供試液とする.溶液の一部を電解びんにとり水銀池を対極とし,直流ポーラニグラムを記録し,あらかじめ作成してある検量線で鉛を定量する.この方法は,旧来の定量法と比較して,試料の灰化および蒸発乾固などの繁雑な操作の要なく前処理が非常に簡単であり,また全体の分析所要時間は1試料1回60分間以内でこの時間はJIS法の1/5である.