1970 年 19 巻 1 号 p. 39-43
昇温ガスクロマトグラフィーについての理論的考察は詳細になされている.Giddingsの式から,同族列に対しては保持温度と等温ガスクロマトグラフィーの保持容量の対数との間に,近似的ながらも一次関係があると推論される.
n-アルコール,n-アルデヒドについてn-オクチルアルコールを内部標準とした相対保持時間を比較したところ,等温ガスクロマトグラフィーの相対保持時間の対数と昇温ガスクロマトグラフィーの相対保持時間との間に一次関係がなりたつことを知った.そこで,昇温ガスクロマトグラフィーの初期温度と昇温速度について検討し,また合成香料を用いてこの一次関係が等温ガスクロマトグラフィーの場合のように同族列の間でのみなりたつだけでなく,異族間でも同じであることを示した.