1970 年 19 巻 6 号 p. 794-798
熱検出カラム法による液体クロマトグラフィーにおいては,溶出成分を感度よく検出することのできる充てん物が必要である.
本報では,活性炭を熱検出カラム中に充てんし,展開剤として無水メタノールを用いて各種の有機化合物のサーモグラムを測定した.サーモグラムのピーク高さ(H)から用いた試料の種類による検出感度を比較検討した.その結果n-アルコール,n-カルボン酸およびn-炭化水素などの同族体では,ピーク高さと骨格炭素数とは一定の比例関係が成立し,炭素数の増加にともなって検出感度が増大することが判明した,また,官能基の種類が検出感度に大きく影響することを認めた.