分析化学
Print ISSN : 0525-1931
多量鉄中微量マンガンの抽出光度定量
石渡 名澄本島 健次
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1970 年 19 巻 9 号 p. 1180-1183

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抄録

多量の鉄中の微量のマンガンの定量法を報告する.本法によれば, 40mgまでの鉄試料中の2~60μgのマンガンを定量することができる.
試料は硫酸に溶解し,酒石酸ナトリウムを加えてから水酸化ナトリウムで溶液をアルカリ性にしたのち,シアン化カリウムを加える.さらに過剰の水酸化ナトリウムを加え,ついでアルミニウムはくを投入し溶解する.溶液に2-メチルオキシン-酢酸溶液をかき混ぜながら滴加してから,硫酸でpHを12.0±0.2に調節する.クロロホルム10.0mlで抽出する.クロロホルム層は, EDTA洗浄液で洗浄する.波長395nmおよび580nmで,試薬ブランクを対照にしてクロロホルム層の吸光度を測定し,補正式を用いて,生成した鉄錯体の影響を補正して々ンガンを定量する.本法を鉄鋼標準試料に適用した結果は,じゅうぶんに満足できるものであった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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