抄録
中性子放射化分析法により降下ばいじん,浮遊じんあい中のスカンジウム,クロム,鉄,コバルト,亜鉛およびアンチモンなど長寿命核種を対象として定量を行なった.採取した試料はJRR-2(4×1013n/cm2・sec)で200時間の中性子照射を行ない,Ge(Li)検出器を用いγ線スペクトロメトリーによる非破壊分析法とイオン交換分離を主とする化学分離分析とについてそれぞれの結果を比較検討した.両者の値はよく一致しており,多くの試料について感度よく同時に分析できるところのGe(Li)検出器を用いる非破壊分析法の有効性が認められた.