分析化学
Print ISSN : 0525-1931
可視部吸収スペクトルによるVoges-Proskauer反応の研究
坂口 武一田辺 信三野中 浦雄
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1971 年 20 巻 1 号 p. 41-48

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抄録
O'Meara法とEggleton法の反応の違いを吸収スペクトルで調べた結果,O'Meara法はアルカリ濃度に左右され,Eggleton法はα-ナフトール濃度に左右されることがわかった.
O'Meara法で弱アルカリ中では405mμと500mμ領域にλmaxがあり,強アルカリ中では500mμ領域のみに吸収があった.一方Eggleton法も500mμ領域のみにλmaxがあり,O'Meara法の反応性は強アルカリのほうが高く,弱アルカリ中では呈色物質はすみやかに分解される.また感度はEggleton法のほうが高く,ジアセチルを0.01μmol/ml,O'Meara法は0.1μmol/ml定量できる.そして両法による色素は,構造および性質が違うことが推定された.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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