分析化学
Print ISSN : 0525-1931
パラロザニリン法による空気中の二酸化イオウ測定の分析誤差の検討
高木 伸司遠藤 一彦熊井 一馬
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1971 年 20 巻 9 号 p. 1097-1102

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抄録

一般に用いられている簡易サンプラーを用いるパラロザニリン法の変動係数は6.4%で,APメーターによる測定値との差の検討などの精密測定に適さない.湿式ガスメーターによる試料ガス量の正確な計量および恒温室における発色,吸光度測定により変動係数は2.0~2.4%と約1/3になった.
標準ガスの吸光度は吸収液温が30℃前後の場合,50~200ppbの範囲で計算値に比べて約9%低くなった.この原因は,吸収効率は約100%であったので捕集後の化学変化によるものと考えられる.したがって正確な測定には標準ガスによる検量線を用いる必要がある.200ppbの共存二酸化窒素の妨害はないが,空気中に共存する多量の可溶性鉄塩(20μg/m3)は妨害する.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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