分析化学
Print ISSN : 0525-1931
メチレンブルー比色法と赤外吸収スペクトル法の併用による水中アルキルベンゼンスルホン酸塩の定量
安部 喜也半谷 高久
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1972 年 21 巻 2 号 p. 252-256

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抄録

河川水中のアルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)の測定には,一般にメチレンブルー(MB)を用いた比色法が用いられ,測定結果もメチレンブルー活性物質(MBAS)として表わされてきた.本研究では比色法の際に調製したMBAS-MB錯化合物の赤外吸収スペクトルをとり,そのスペクトルにおいて波数890cm-1と1010cm-1の吸収がそれぞれMBおよびABSに固有なものであることが確かめられ,その吸収ピーク高の比Y/XがMBASにおけるABS/MBASに比例することがわかったので,はじめに標準試料についてY/XとABS/MBASの関係を示す検量線をつくることによって,未知試料についてABS/MBASを求め,あらかじめ比色法により測定したMBAS濃度にABS/MBASを乗ずることによりABS濃度を求めることができた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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