1972 年 21 巻 2 号 p. 264-270
炎光および原子吸光分析法による酸化イットリウム中のナトリウム,マグネシウム,カルシウムの定量を行なうため,試料溶解に使用する無機酸の種類,主成分であるイットリウム,共存する上記の金属元素の相互の影響を検討した.上記の金属元素に対する無機酸の影響の検討から,試料を溶解するための酸は塩酸または過塩素酸が適当である.イットリウムが多量に共存しても,上記の金属元素の測定にあまり影響しない.また,相互の影響もあまり問題とならない.以上,高濃度イットリウム中の上記金属元素は定量可能なので,酸化イットリウムの実際試料は酸に溶解し,標準添加法により,迅速にかつ良好な精度で定量することができた.