分析化学
Print ISSN : 0525-1931
充てん剤混合法ガスクロマトグラフィーにおける液相量および担体の溶質保持に及ぼす影響
混合固定相によるガスクロマトグラフィーに関する研究(第8報)
三戸岡 憑之
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 21 巻 3 号 p. 354-363

詳細
抄録

充てん剤混合法ガスクロマトグラフィーにおいて,二つの液相の担体に対する含浸率が異なったり,あるいは担体の種類や粒度が異なる場合に,さきに見いだした保持指標と混合組成(重量分率)の関係がどのような影響を受けるかを明らかにする目的で,液相含浸率や担体の種々異なったスクアラン/ポリエチレングリコール600混合系における代表成分の保持挙動を調べた.その結果,単一液相カラムおよびそれに近い組成の混合系では液相の含浸率や担体の種類または粒度によって保持指標は異なるが,0.2~0.8重量分率の混合系においてはいずれの成分の保持指標も実験誤差範囲内で一致することがわかった.また二つの液相の含浸率が異なる充てん剤混合系においても保持指標の大きさは液相の重量分率にのみ依存することが明らかになった.単一液相およびそれに近い組成の混合系での保持指標の差異は,溶質成分の気液あるいは液固界面への吸着に基づくものと考えられた.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top