1972 年 21 巻 4 号 p. 491-495
赤外吸収スペクトル法によるレゾルシン-ホルムアルデヒド樹脂のモル比(F/R)および構造の分析について検討し,次のような結果を得た.
(1)無触媒反応で得られた樹脂の場合には,1170cm-1と1150cm-1の吸収強度比,D1170/D1150,および980cm-1と960cm-1の吸収強度比,D980/(D980+D960)とモル比の間によい直線関係があることを認めた.
(2)酸触媒およびアルカリ触媒により得られた樹脂について,上記の直線関係が適用できるか検討を行なったところ,前者についてはよい一致がみられたが,後者については大きなかたよりがみられた.
(3)960cm-1と980cm-1の吸収を用いて,触媒の差によるレゾルシン-ホルムアルデヒド樹脂の構造の差を解明できることを認めた.