分析化学
Print ISSN : 0525-1931
13ガスクロマトグラフ分析
池川 信夫松居 正己
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1974 年 23 巻 13 号 p. 130R-143R

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抄録

ガスクロマトグラフィー (GC) は発見以来20年を経たが, なお分析化学の分野で最も活発な研究分野で, 毎年2700~2800のGCについての発表論文があると推定されている.1972年来日したA.J.P.Martinの講演にもあるように, より感度の高い検出器, より便利な装置, より正確な分析法, より広い応用分野を目ざしてこれだけ多くの研究者が関係している分析法はない.最近2か年の進歩をすべて網らすることは不可能であるので本稿では特にGCの分析法について著者の興味の範囲にとどめることにした.
なお, 本進歩総説は1972年から1973年までの文献を採用した.
一見特にきわだった進歩はないように見えるが, その質, 量ともに豊富な発表論文はGCがあいかわらず急速に進歩し, かつ普及していることを示している.本稿をまとめているとき, Juvetとcramによって約1000の論文を引用してGCのすぐれた進歩総説が出版された.かれらの興味は主として理論, 装置, 方法論にあり本稿は主として応用に重点がおかれているので重複しているところが少ない.しかし発表報文が多いので重要な論文を見落としていることはじゅうぶん考えられる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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