分析化学
Print ISSN : 0525-1931
5電気泳動
木曾 義之竹味 弘勝
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1974 年 23 巻 13 号 p. 38R-41R

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抄録

本進歩総説は1969年~1973年に印刷公表された電気泳動に関するもののうち, 1500あまりの報告を選び, 紙数の制限上医学関係, その他特に生化学に関する文献はできるだけ除き, 無機イオンの分離分析とそれに関連のある文献について紹介する.生化学に関連のある物質については1973年度版進歩総説の一般生化学分析の電気泳動の項目を参照していただきたい.
電気泳動法は主としてたん白質の分離に関するものが報告数の大多数を占めていたが, 最近では, 単なる分離手段としてではなく, 金属錯体の形成反応, 無機イオンの溶存状態の研究手段として利用した研究例が数多くなってきているのが目だっ.1970年に新しく命名された等速電気泳動法はその後, その研究はしだいに増加しているが, 検出器の改良と泳動支持体の安定化が改善されれば, 現在のガスクロマトグラフや液体クロマトグラフと同様に物質の新しい迅速分離分析装置の一種となりうることが期待される.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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