分析化学
Print ISSN : 0525-1931
核磁気共鳴法によるナフタリンスルホン酸異性体の簡易定量
真下 清和井内 徹
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 23 巻 7 号 p. 750-754

詳細
抄録

ナフタリンモノスルホン酸の異性体を定量することは従来の方法では操作が複雑で分析に比較的時間を要し,しかもスルホン酸の状態で定量することはできなかった.ナフタリンスルホン酸異性体混合物の10%重水溶液のNMRスペクトルをとると,α-ナフタリンスルホン酸の2位のプロトンとβ-ナフタリンスルホン酸の1位のプロトンの化学シフトが異なることがわかったので,これらのピーク面積を測定することでナフタリンモノスルホン酸異性体を操作も容易にそして迅速に精度よく定量できることを明らかにした.また未反応の硫酸が含まれていてもその精度には影響なくこの定量法がじゅうぶん利用できる.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top