抄録
6種類のカーバメート系殺虫剤の2,6-ジブロムキノンクロルイミドによる比色定量の条件について検討した.2-イソプロポキシフェニルN-メチルカーバメートはpH8.0,1-ナフチルN-メチルカーバメート,3-メチルフェニルN-メチルカーバメート,2-イソプロピルフェニルN-メチルカーバメート,2-sec-ブチルフェニルN-メチルカーバメート,3,5-ジメチルフェニルN-メチルカーバメートはpH9.4のほう砂緩衝液における呈色が安定であり,経時的には1時間から5時間まで安定,24時間後においても顕著な変化は認められなかった.ベールの法則には3-N-メチルカーバメートが0.5~7μg/ml,他の5種類は1~10μg/mlにおいて従った.以上の結果を利用してみそしる中に添加したカーバメート及び対応するフェノールの回収実験を行い,各カーバメートについては約75%,各フェノールについては約60%の回収率を得た.