分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ガスクロマトグラフの接触反応検出器
中島 史登酒井 馨
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 25 巻 6 号 p. 378-384

詳細
抄録

ガスクロマトグラフのカラムによって分離された成分を微小触媒層に導入して反応させ,そのときの反応熱に基づく温度変化を測定する方式の新しい検出器(接触反応検出器)を提案し,試作した検出器についてその特性を検討した.この検出器の特徴は触媒上で反応して発熱又は吸熱が起こる成分に対してのみ選択的に応答することにある.試作した検出器は約0.08mlの微小触媒層に熱電対をそう入したものであり,反応補助ガスとして酸素を加えると酸化される成分を,又水素を加えると水素添加される成分をそれぞれ選択的に検出することができ,特に不飽和炭化水素の選択的検出に適している.この検出器の感度は熱伝導度検出器に比べてやや劣るが,ピーク面積と試料量との比例性,繰り返し測定による再現性は良好で応答も十分早い.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top