抄録
吸着クロマトグラフィー系において,比較的分離の困難な化合物の液体クロマトグラフィー(LC)分離分析条件の設定の予知的方法として,薄層クロマトグラフィー(TLC)を利用することを検討した.12種類のステロイドの立体異性体あるいは幾何異性体のTLCにおける分離可能条件を用いてLCを行ったところ,同一溶媒系による同一溶媒強度(混合比率)ではLC分離は不十分になることを認めた.鋭敏なLC分離を得るためには,TLCの溶媒強度を弱くする必要のあることが分かった.吸着クロマトグラフィー系において,同一溶媒系によるTLCとLCの間に,分離の平行性があることを確かめた.