分析化学
Print ISSN : 0525-1931
高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる原油の識別
固定相の検討
東 国茂萩原 一芳
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1978 年 27 巻 12 号 p. 768-772

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抄録

紫外吸収検出器を用いた高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による原油の識別において,固定相であるポリスチレンゲルのボアサイズの違いがクロマトグラムのプロフィールに与える影響の検討を行った.3種のゲルHSG-10,HSG-15,HSG-40を充てんしたカラムを単独及び複数連結して固定相とし,テトラヒドロフラン(THF)を移動相として用い,4種の原油のクロマトグラムを254nmで測定した.その結果,ゲルのボアサイズの違いによりプロフィールは大きく異なることが明らかとなった.これらのプロフィールの識別性を評価するためにカイ二乗値(χ20)により考察を行った.4種の原油につきそれぞれ8個のピーク強度を求め,これらのデータから各カラムについてのχ20を計算した結果,HSG-15単独の場合,最も原油間の識別性が高いことが明らかとなった.又,2種の原油間のプロフィールの違いについても考察した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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