分析化学
Print ISSN : 0525-1931
X線光電子スペクトロメトリーによる天然水の定性分析と河川水中の窒素化合物の定量分析
村田 勝夫竹本 修明池田 重良
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1978 年 27 巻 6 号 p. 348-353

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抄録

少量の試料溶液をアルミニウム板に採り,赤外ランプで注意深く蒸発乾燥し,この残さのX線光電子スペクトルを測定することによって,海水,河川水中の成分元素を定性分析した.又,河川水中の窒素化合物の分析では,硝酸態,亜硝酸態及びアンモニウム態窒素を分析する方法を確立した.これらの化合物の窒素のN1sの束縛エネルギーは,硝酸態窒素407eV,亜硝酸態窒素404eV,アンモニウム態窒素401eVを与えた.これらのN1s光電子スペクトルを一定時間積分して得たピーク面積からその存在比を求め,又塩化鉛を内部標準にして濃度既知の硝酸アンモニウムにより検量し,吸光光度法と比較した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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