分析化学
Print ISSN : 0525-1931
抽出浮選法を用いる微量銅の吸光光度定量
小辻 奎也畑沢 智四方 俊郎林 滋彦
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1979 年 28 巻 4 号 p. 263-267

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抄録

ラウリル硫酸ナトリウムを捕集剤とし,窒素気ほうによりイソペンチルアルコール-酢酸ブチル(2:1)混合溶媒に3-(2-ピリジル)-5,6-ジフェニル-1,2,4トリアジン-銅(I)キレートとして銅を抽出浮選し,有機相の吸光度を測定して銅を定量する方法を検討した.6.3μgの銅を含む試料溶液(500ml,pH9.0~9.2)に窒素ガスを60ml min-1の速度で5分間通気することにより,5mlの混合溶媒相に約97%の回収率で銅が浮選され,約100倍に濃縮される.この際,ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(Na-DDC)エタノール溶液に銅を浮選した混合溶媒相を添加し,DDC-銅錯体に基づく吸光度を433nmで測定すれば,浮選された有機相の吸光度を測定するよりも約1.5倍感度が向上する.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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