分析化学
Print ISSN : 0525-1931
粉末X線回折法による亜鉛末中の酸化亜鉛の定量
粉末X線回折分析における試料調製方法の研究(第3報)
中村 利廣貴家 恕夫
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1980 年 29 巻 12 号 p. 824-829

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抄録

粉末X線回折法を用いて,従来正確な定量法のなかった亜鉛末中の酸化亜鉛の定量方法を検討した.亜鉛末中の酸化亜鉛と同じ半値幅になるように加熱結晶化された標準酸化亜鉛を用いて検量線を作成することにより,結晶化度の差に原因する誤差を取り除いた.更に,加熱結晶化する方法と粉砕して結晶化度を低くする方法で調製した酸化亜鉛について,格子ひずみ量を比較して,加熱結晶化した酸化亜鉛のほうが,亜鉛末中の酸化亜鉛に近く,検量線作成用標準物質として適していることを見いだした.この標準酸化亜鉛を用いて,標準添加法で酸化亜鉛(1.9~5.9)%の試料を定量した.定量下限は0.27%,定量値3.9%のときの変動係数は5.8%であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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