抄録
固定相にシマズゲルPSG-100及びシマズPCH-05を用いて,環境試料中の直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)を高速液体クロマトグラフィーで定量する方法を検討した.シマズPCH-05を固定相に,0.08%(w/v)リン酸水素二ナトリウム-50%エタノールを移動相に用いるのが最も良く,合成洗剤中に含まれる側鎖のアルキ〃基の炭素数が10~14のLASを分離定量した.又,これらのLASはフェニル基の位置異性体の影響を受けず,アルキル基の炭素数に依存して分離されることを確認した.LASの定量限界は5μlの注入量として0.01μg,LAS濃度20μg/100ml及び100μg/100mlの水溶液からの回収率は99%,変動係数はそれぞれ6.8及び1.3%であった.河川水へのLASの添加回収率も91%,変動係数2.0%と良好であった.