分析化学
Print ISSN : 0525-1931
キサントゲン酸カリウム類を用いる白金及びパラジウムの溶媒抽出-原子吸光分析
相原 将人木卜 光夫
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1980 年 29 巻 12 号 p. 833-837

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抄録

微量の白金(II),白金(IV)及びパラジウム(II)はキサントゲン酸イオンと錯体を生成して,それぞれpH5.0~10.0,pH5.0~7.5,pH6.0~11.0のpH範囲でメチルイソブチルケトン(MIBK)中に定量的に抽出された.この方法を原子吸光分析に利用した結果,水溶液を直接試料としたときに比べて2倍強の定量感度の増加が認められた.又,白金の場合は数種の共存イオンが干渉を示すが,パラジウムの場合は影響もなく,定量精度は10回の繰り返しの変動係数が3%以下であり精度良く定量できることが分かった.
本法により,白金では0.4ppm,パラジウムでは0.03ppm程度の微量濃度(水相中)を十分定量できた.なお,キサントゲン酸カリウム類の中では,ペンチルキサントゲン酸カリウムを用いるのが良い.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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