分析化学
Print ISSN : 0525-1931
メチルトリオクチルアンモニウムクロリドーチオシアン酸塩による鉄(III)の抽出光度定量
赤岩 英夫川本 博見持 洋司
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1981 年 30 巻 5 号 p. 310-314

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抄録

チオシアン酸塩による鉄(III)の吸光光度定量法にメチルトリオクチルアンモニウムクロリド(MTOA=R3R'NCl)抽出を導入して好結果を得た.クロロホルムへの抽出化学種はR3R'NFe(NCS)4で,MTOAによってFe(NCS)4-の生成が促進され,検出感度の向上(モル吸光係数=3.4×104)と呈色安定化による再現性の改善などの利点が得られた.本法は一般河川水中の鉄の定量に応用できるばかりでなく,鉄(III)と鉄(II)の分別定量法として利用できる可能性をも有している.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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