分析化学
Print ISSN : 0525-1931
大気エアロゾル中の陰・陽イオンのイオンクロマトグラフィーによる定量
村野 健太郎水落 元之鵜野 伊津志福山 力若松 伸司
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 32 巻 10 号 p. 620-625

詳細
抄録

ポリテトラフルオロエチレン濾紙を装着した連続サンプラーで関東地方上空の大気粒子状物質を捕集し,水溶性成分を抽出し,イオンクロマトグラフィーで分析した.上空には主に塩化物イオン,硝酸イオン,硫酸イオン,アンモニウムイオンが存在し, 5分間の短時間サンプリングで分析可能なため,地域的な汚染が明らかになり,光化学スモッグ発生の他のパラメーター,オゾンとの相関が議論できた.硝酸イオン,硫酸イオンは光化学反応によって生成するが,硫酸イオンはオゾンと正の相関があり,アンモニウムイオンも硫酸イオンの対イオンとなるため,オゾンと正の相関があった.イオンバランスの測定により,硫酸イオンが硫酸アンモニウムの形で存在することが明らかとなった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top