分析化学
Print ISSN : 0525-1931
2,6-ジヒドロキシ安息香酸とマラカイトグリーンを用いるホウ素の抽出吸光光度定量法
大島 光子本水 昌二桐栄 恭二
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1983 年 32 巻 4 号 p. 268-272

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抄録

2,6-ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)とマラカイトグリーン(MG)を用いるホウ素の抽出吸光光度定量法について検討した.水溶液中pH1付近でホウ酸とDHBAとを反応させ,生成した錯陰イオンをMGを用いてクロロベンゼンに抽出する.有機相を1M硫酸で洗浄後有機相の吸光度を628nmで測定する.検量線はホウ素量0~0.6μgの範囲でベールの法則に従い,見掛けのモル吸光係数は9.5×104lmol-1cm-1である.本法により温泉水,海水中のホウ素の定量が可能であった.本法は共存イオンの影響が少なく,水溶液中で反応が起こり,反応時間が短く,操作も比較的簡単であり,感度が高い,などの利点を持っている.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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