1983 年 32 巻 4 号 p. 273-276
イオンクロマトグラフィーにおいて,分離カラムにポーラスシリカ系陰イオン交換ゲルを充てんしたミニカラムを,溶離液には1.0mMフタル酸溶液(pH3.4~4.0)を用いることにより,サプレッサーシステムを用いないで,酢酸,乳酸,ギ酸,コハク酸,安息香酸などの有機酸類を,簡便,かつ10分足らずの迅速さで分離定量できた.検出限界はいずれも(0.005~0.02)μg/mlと極めてよく,又分析精度も満足しうるものであった.この方法を清酒及び注射剤などの実試料に応用し,種々の有機酸類の分離定量を試み,実用性が高いことが確認された.