分析化学
Print ISSN : 0525-1931
イオンクロマトグラフィー用分離カラムの簡便な調製法
実政 勲溝口 岳美大塚 淳子出口 俊雄永井 英夫
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 32 巻 7 号 p. 420-425

詳細
抄録

Aminex系イオン交換体をDowex系イオン交換樹脂に重量比1:2の割合で純水中で混合・吸着させイオンクロマトグラフィー(IC)用分離カラムの充てん剤として用いた.陰イオンの分離には,Aminex A-27(13.5μm)とDowex 50W-X16{(200~400)メッシュ},陽イオンの分離には,Aminex A-5(13μm)とDowex 1-X8{(200~400)メッシュ}を組み合わせた.調製した混合樹脂を内径1mmのテフロンチューブに詰めて分離カラムとした.7種の陰イオン(F-,Cl-,NO2-,HPO42-,Br-,NO3-,SO42-)を分離カラム長さ20cm,1.OmM炭酸水素ナトリウム-2.0mM炭酸ナトリウム溶離液,流速1ml min-1の条件で60分で分離した.6種の一価陽イオン(Li+,Na+,NH4+,K+,Rb+,Cs+)を分離カラム長さ(13~15)cm,5mM塩酸溶離液,流速0.5ml min-1の条件で100分で分離した.溶離液として1.25mM二塩酸m-フェニレンジアミン-1.25mM塩酸を用いると,6種の一価陽イオン混合物に相当する単一のピークに続いて4種の二価陽イオン(Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+)が相互に分離され,分離カラム長さ13cm,流速0.5ml min-1の条件でBa2+が溶離されるのに110分を要した.市販のICカラムに比べ分離に長時間を要するが分離能は満足できるものであった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top