1983 年 32 巻 7 号 p. 425-429
排ガス中窒素酸化物の分析法である亜鉛還元ナフチルエチレンジアミン法(Zn-NEDA法)において,迅速にしかも精度よく定量するために,吸収液に添加する試薬量について検討した.その結果,吸収液を0.15%過酸化水素を含む0.1N水酸化ナトリウム溶液とすることにより,NOxの酸化及び吸収を促進させることができた.更に発色を妨害する残存過酸化水素の分解剤に過マンガン酸カリウムを使用する代わりに,塩素酸カリウムを使用するほうが良いことを確認した.又亜鉛によってNO3-をNO2-に還元する際の試料溶液のpHは,5.7~5.9が最適であることが分かった.以上で全行程が約50分となり,NOxを容易に定量でき,分析値の変動係数は3%以下という良好な結果が得られた.