分析化学
Print ISSN : 0525-1931
シクロヘキサン-1,3-ジオンとの蛍光誘導体化を利用した脂肪族アルデヒドの高速液体クロマトグラフィー
鈴木 義仁
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1985 年 34 巻 6 号 p. 314-318

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抄録

微量で,かつ希薄な状態にある脂肪族アルデヒドをデカヒドロアクリジン-1,8-ジオン蛍光誘導体(DHA)に変換させた後高速液体クロマトグラフ(HPLC)による短鎖から長鎖までの脂肪族アルデヒドの一斉分離と定量分析について検討した.DHA誘導体はHPLC蛍光検出器に高い応答を示すため,従来の2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体として紫外検出する方法と比較して超微量(3×10-11g)の脂肪族アルデヒドの定量分析が可能となった.誘導体化を経て,HPLCを行うことにより個々のアルデヒドの分析も妨害なく定量できるため,微量分析の際の困難さが解決された.又,メタノール濃度を30分間に50%から100%までグラジエント操作を行うことによりホルムアルデヒドからラウリルアルデヒドまでの広範囲にわたる混合物の一斉分離が可能であった.この方法を実際試料のウイスキー中のアルデヒド類の定量分析に応用した結果,良好な値を得た.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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