分析化学
Print ISSN : 0525-1931
34 巻, 6 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 川副 重義, 加茂 友一, 高田 芳矩, 色摩 信義
    1985 年 34 巻 6 号 p. 309-313
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    常圧下におけるヘリウム気流中での直流放電によって発生するヘリウムの共鳴線(λ=60nm, 21eV)を利用したガスクロマトグラフ用の光イオン化検出器を試作し,その性能を検討した.本検出器の特徴の一つは無機ガスに対して高感度を示すことである.高感度化は放電を安定化させることで達成できた.放電の安定化は,白金製の針状放電陰極と光路を持った平板状の白金製陽極とを対向させた構造にして達成した.放電は50~200μAの放電電流で安定であったが,このときの検出器のノイズレベルは1×10-13A以下であった.検出器の性能は水素,酸素及びその他の物質を測定して,これらの感度及び検出下限などから評価を行った.窒素とプロパンの検出下限はそれぞれ1.8×10-12mol/s及び1.8×10-14mol/sであった.窒素の検出感度は熱伝導度検出器の50倍以上で,プロパンの検出感度は水素炎イオン化検出器の3倍であった.
  • 鈴木 義仁
    1985 年 34 巻 6 号 p. 314-318
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    微量で,かつ希薄な状態にある脂肪族アルデヒドをデカヒドロアクリジン-1,8-ジオン蛍光誘導体(DHA)に変換させた後高速液体クロマトグラフ(HPLC)による短鎖から長鎖までの脂肪族アルデヒドの一斉分離と定量分析について検討した.DHA誘導体はHPLC蛍光検出器に高い応答を示すため,従来の2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体として紫外検出する方法と比較して超微量(3×10-11g)の脂肪族アルデヒドの定量分析が可能となった.誘導体化を経て,HPLCを行うことにより個々のアルデヒドの分析も妨害なく定量できるため,微量分析の際の困難さが解決された.又,メタノール濃度を30分間に50%から100%までグラジエント操作を行うことによりホルムアルデヒドからラウリルアルデヒドまでの広範囲にわたる混合物の一斉分離が可能であった.この方法を実際試料のウイスキー中のアルデヒド類の定量分析に応用した結果,良好な値を得た.
  • 高橋 紘一, 西村 広幸, 新尺 俊勝
    1985 年 34 巻 6 号 p. 318-324
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィーにおける自動分取装置を作製し,二,三のペプチドとクロロフィル色素の自動分取を試みた.装置は,通常の高速液体クロマトグラフに,自動注入用六方バルブ,分取目的物をより分けるためのバルブ,モニターである吸光光度計のアナログ出力をディジタル量に変えるA/D変換器,計測値を取り込み,計算した後,その結果を判断してバルブを操作するワンボードマイクロコンピューターなどから成る.約1秒間隔でプロセッサーが計測値を取り込み,点状の溶出曲線を得る.目的ピークの二つの変曲点間を分取した.分取物とその残りを分析クロマトグラフィーで調べたところ,目で判断できる以上の細かい判断を行っていることが分かった.
  • 吉森 孝良, 久留須 一彦
    1985 年 34 巻 6 号 p. 324-328
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    鉄(II)・強リン酸を用いた還元分離法及び定電位電量分析法により,検量線を必要としない微量硫黄の定量法を確立し,鉄鋼中の極微量の硫黄の定量に応用した.硫酸カリウム標準溶液中の1.6~63.4μgの硫黄を分析した結果,硫酸イオンは定量的に硫化物イオンに還元され,吸収溶液に回収されていた.そこで硫黄含有率2~130ppmの鉄鋼標準試料などの分析に応用した結果,正確にしかも精度よく定量できた.
  • 村田 武, 中村 順子, 島田 力, 沢辺 善之
    1985 年 34 巻 6 号 p. 329-334
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    直接試料導入を用い,イソブタンを試薬ガスとした化学イオン化質量分析法で催眠薬,鎮痛薬,向精神薬,抗パーキンソン氏病薬などによる急性中毒診断のために,確実かつ迅速な同定法について述べる.使用した17種類の薬物の化学イオン化(CI)マススペクトルはプロムワレリル尿素を除いて,MH+イオンのほとんどがベースピークとなり,質量を読み取るだけで同定できた.しかし沸点差の大きく異なる薬物混合物や大きな濃度差のある薬物混合物に対してはCIマスクロマトグラフィーを用いなければ正確な同定が困難であることが分かった.この手法により胃洗浄液や血清抽出物中に含有するすべての薬物の同定を行った.CIマスクロマトグラフィーは揮発性,不揮発性薬物に関係なく数分で測定できる特徴をもっている.定量が必要なときは内部標準物質を用いれば良いことが分かった.この手法の検出限界はCIマスクロマトグラフィーで数十ng,CIマスフラグメントグラフィーで数ngオーダーである.
    Table1に試料(I)~(V)のDI-CIMCによる測定結果を示す.すべての試料について存在する薬物はMH+イオンと特徴あるフラグメントイオンで同定できた.これらの薬品の濃度はGC/MSと高速液体クロマトグラフィーで定量した値で示してあるように,最高と最低値では約400倍もの違いがあったが,両者を同定するに当たっての問題点は何もなかった.
  • 杉山 直和, 斉藤 謹一, 野本 明美, 花房 孝, 佐藤 寿, 河合 正計
    1985 年 34 巻 6 号 p. 335-339
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    尿中臭化物イオンの定量についてヘッドスペースガスクロマトグラフ法(HS-GC法),吸光光度分析法(チオシアン酸水銀法)及び放射化分析法の3方法を比較検討した.本研究で用いたHS-GC法は密封容器中で臭化物イオンと硫酸ジメチルとを反応させ臭化メチルとした後,ヘッドスペースガス(HSガス)をサンプリングしガスクロマトグラフ(GC)に注入して定量する方法である.検討の結果,HS-GC法では臭化物イオンとして1ppm以上の濃度であれば容易に定量できることが判明した.従来使用されているチオシアン酸水銀法は操作が煩雑な点に,又,放射化分析法ははん用性がないという点にそれぞれ問題があるが,HS-GC法ははん用性並びに信頼性において優れていた.
  • 大道寺 英弘, 田村 正平, 松原 道夫
    1985 年 34 巻 6 号 p. 340-345
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)により海水中にあるpptレベルの希土類及びトリウムを定量した.ICP-AESによる希土類元素の検出限界は0.2~3ng/mlと高感度であるが,海水中の目的元素は更に微量であるため水酸化鉄共沈法により目的元素の10000倍の濃縮を行った.この方法で海水中の目的元素を95%以上の回収率で集めることができ,海水中の主成分塩類からもほぼ分離できた.共沈剤として使った鉄の濃度が高くなるので,その大部分を6M塩酸溶液からメチルイソブチルケトンで抽出した.このとき,目的元素の損失が見られたので,測定結果はこの値を補正した.から試験溶液,標準溶液は試料溶液と同じマトリックスに調製した.測定に使用したスペクトル線は感度が高く,更にこれらのマトリックス元素や希土類やトリウム相互のスペクトル干渉の少ないものを選んだ.プラセオジム,ガドリニウム,テルビウム,ルテチウムは海水中の濃度が低いうえ,感度が高くスペクトル干渉の少ない適当な分析線がなかったので定量できなかったが,他の希土類元素やトリウムは5~30%の精度で定量できた.
  • 今枝 一男, 大沢 敬子, 内山 一美
    1985 年 34 巻 6 号 p. 346-350
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    薄層クロマトグラフプレート上に展開された試料を,かき取りや切り取りなどの操作を行うことなく定量する光掃引型光音響分析装置の改良を行った.光源の断続周波数は80Hzとし,又簡単に自製できるロックインアンプを作製した.更に薄層プレート上に展開された物質の詳細な定量条件を検討した.スダンレッド7Bは50~400ngの範囲で光音響信号と直線関係となった.400ng以上では信号の飽和傾向がみられた.スクアレンを展開後,硫酸:メタノール(1:3)を噴霧し加熱発色させたとき,光音響信号の平方根と試料量の対数との間に直線関係があった.正常なヒト前腕部から抽出した皮表脂質中のスクアレンの定量を行い良好な結果を得た.
  • 西岡 洋, 前田 嘉道, 米田 昭夫, 安積 敬嗣
    1985 年 34 巻 6 号 p. 351-355
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    水中の微量重金属イオン(クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛及び鉛)を有機沈殿剤のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムと無機共沈剤のアルミニウムを用いて共沈濃縮し,これを蛍光X線分析法により定量する方法について検討した.クロム(VI)は亜硫酸ナトリウムを用いて還元すれば定量的に共沈濃縮できることが分かった.マンガンを除く他の金属イオンの共沈率は0.2mg/lの濃度においても97%以上であった.クロム,鉄,コバルト,ニッケル及び銅に対する検量線は0~1mg/lの範囲でから試験値を通る良好な直線となった.亜鉛及び鉛に対する検量線は0.02~1mg/lの範囲で良好な直線性を示した.
  • 穂積 啓一郎, 北村 桂介, 木村 誠
    1985 年 34 巻 6 号 p. 355-360
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    有機試料の酸素プラズマによる低温灰化処理では,チャンバー内に生成する燃焼気体が高周波エネルギーを吸収して励起し,発光スペクトルを放射する.このスペクトルは可視部に豊富で,酸素自身の放射する低レベルのバックグラウンドを基準にすると,硫化カドミウム光電導セルの出力として灰化の進行状況をモニターすることができる.セルロースパウダーの灰化実験では試料量10~200mgの範囲でいずれも出力の急激な消失による明確な終点が与えられた.スペクトル強度の終点までの積分量と試料量とは良い比例関係を示したが,高周波電力が変わるとスペクトルパターンが変化し,比例係数はかなり変化した.灰化時間と試料量の比例関係のほうがプラズマ条件の変化の影響を受けにくい.茶葉,食品などの灰化のモニタリングにも高感度に適用できることが分かった.
  • 加熱温度及び加熱時間と元素の損失との関係
    野中 信博, 樋口 英雄, 浜口 博, 戸村 健児
    1985 年 34 巻 6 号 p. 360-364
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    植物標準試料Orchard Leaves(NBS)を乾式灰化する際に,試料に含まれる23元素の損失率を中性子放射化分析法により調べた.植物試料約30gを高純度石英皿に量り取り,均一に広げ,200,450,800℃における加熱時間を5,10,15,20,24時間と変化させて灰化を行い分析に供した.分析結果から,ナトリウム,カリウム,ルビジウム,セシウムなどのアルカリ金属については,200℃では,加熱時間の増加にかかわらず損失は認められず,450℃,800℃では5~15時間で損失し,以後加熱時間の増加にもかかわらず一定の値を示した.ただしセシウムは800℃では,5時間で100%損失した.又各元素の損失率の割合は,セシウム>ルビジウム>カリウム>ナトリウムの順に変化した.ヒ素,臭素,塩素,クロム,アンチモンについては,各加熱温度とも5時間で損失し,以後加熱時間の増加にもかかわらず損失率はほぼ一定の値を示した.又臭素,アンチモンの損失率は,200℃>450℃であり特異的なパターンを示した.水銀,セレンについては,各加熱温度の5時間で急速に損失し,以後は加熱時間増加とともに損失は連続的に増加した.ただ水銀は450℃,800℃とも,5時間で100%損失した。アルカリ土類,希土類元素,マンガン,鉄,コバルト,亜鉛,アルミニウムについては,損失は認められなかった.
  • 円角 千加子, 高本 進
    1985 年 34 巻 6 号 p. 365-370
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    チオシアン酸法による鉄の比色分析の際の退色防止剤として,非常に効果の大きな非イオン性界面活性剤の化学的機能について研究した.水溶液中の酸素の溶解度は界面活性剤の有無には影響されない.界面活性剤が存在すれば,30℃でも2時間は色が十分安定であるが,脱気した溶液は徐々に退色する.一方チオシアン酸鉄(II)錯体は通常空気酸化されないのに,界面活性剤があると鉄(III)錯体に変わって赤色が現れる.このことから界面活性剤によって活性化された酸素が鉄(III)錯体を安定化していることが分かる.更に界面活性剤が比色感度を倍増させる理由は,各種の事実から鉄錯体がミセル内に取り込まれるためと推定した.しかしこの呈色反応における吸光度の温度変化が界面活性剤によって助長されることは,実際の比色分析の際に注意を要する.
  • 橘 正樹, 古澤 源久
    1985 年 34 巻 6 号 p. 371-373
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    It was reported previously that the fluorescence of carbazole can be selectively measured by use of dimethyl sulfoxide (DMSO) containing potassium iodide, sodium methoxide, and methanol as a solvent. The interference of polynuclear aromatic compounds for fluorometric determination of carbazole could be reduced successfully by the employment of the following procedure. After a sample had been dissolved in 20ml of cyclohexane-xylene (1:2) mixture, the carbazole was extracted with 3ml of DMSO containing potassium iodide (0.30g/ml), sodium methoxide (1mg/ml), and methanol (2.0%). The DMSO phase was subjected to the measurement of fluorescence intensity. The results indicated that trace amounts of carbazole could be effectively separated from most of the interfering substances. The determination limit was found to be 20ng.
  • 柏平 伸幸, 牧野 和夫, 桐田 久和子, 渡部 欣愛
    1985 年 34 巻 6 号 p. 373-376
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    For the measurement of gaseous compounds in air, a selective detection method(O-FID) for oxygen-containing compounds was developed. Two methods were examined: a catalytic dehydrogenation-methanation method {O-FID (CDM)}and a direct catalytic methanation method {O-FID(DCM)}. The O-FID(CDM) was based on (1) the catalytic decomposition of oxygen-containing compounds to CO and CO2 on reduced copper, (2) the conversion of CO and CO2 to methane in a stream of hydrogen on nickel and (3) the detection with FID. The O-FID(DCM) made use of (1) the direct catalytic formation of methane on reduced copper with a flow of hydrogen and (2) the measurement of methane with FID. In both cases, hydrocarbons were removed adsorptively with active carbon. Gas chromatography was carried out with Shimadzu GC-4BM equipped with Porapak Q packed glass cloumn(i. d. 3 mm, 2 m long) at 130°C isothermally. By O-FID (CDM), almost all oxygen-containing compounds studied were measured and their sensitivities were similar to those of the usual FID, while those of hydrocarbons by O-FID(CDM) dropped to 1/1000 to 1/10000 and about 200μg of hydrocarbons did not cause any interferences for gas chromatographic measurement of oxygen-containing compounds at sub-μg levels. As the results, it was found that O-FID(CDM) could be used for the selective analysis of most oxygen-containing compounds. On the other hand, the O-FID(DCM) was more specific to acetaldehyde and ethanol among low oxygen-containing compounds examined. The sensitivity of the O-FID(DCM) was almost the same as the usual FID for acetaldehyde which was quantitized down to 2 ng under the gas chromatographic conditions mentioned above without any interferences from hydrocarbons.
  • 小泉 均, 越山 博喜, 鈴木 義仁
    1985 年 34 巻 6 号 p. 376-380
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    DABSヒドラジンを合成して,脂肪族アルデヒドのHPLC/ラマン検出に適した誘導体化を得ることができた.これらの脂肪族アルデヒドのDABSヒドラゾソ誘導体は443nln付近に極大吸収があり,Ar+レーザー488.0nm の発振波長を用いて共鳴ラマンスペクトルを得ることができた.ラマンスペクトルにおける1135cm-1の波数でHPLCのクロマトグラムの測定が可能であった.HPLCのための誘導体の定量操作を検討した結果,5から100PPm水溶液についてHPLC/ラマン検出によって,R. S. D. 7.3%以内の再現性で定量分析が可能であった.又,脂肪族アルデヒド同族体混合物は FInepak Sil C18カラムを用い,MeCN/水移動相でHPLCによる相互分離が達成された.
  • 佐藤 幸一, 伊藤 真二, 井出 邦和, 大河内 春乃
    1985 年 34 巻 6 号 p. T57-T62
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    ガラスビード法による組成範囲の広いニオブ含有スラグの蛍光X線分析において,検量線には酸化物合成試料を用い,又共存元素の影響の補正には理論α係数を用いる補正法の適用を試みた.スラグ標準試料を用いて理論α係数の有効性を確かめた結果,各成分において未補正と比較して正確さが向上した.実際試料の組成を考慮して酸化ニオブ(V)(~20%)及び酸化マンガン(II)(~44%)を添加して定量した結果,他成分への影響は認められなかった.本法の実際試料での繰り返し分析精度は相対標準偏差で酸化マグネシウム(3.31%)を除いてはいずれも0.27~0.73%と良好な結果が得られた.
  • 山田 浩司, 長岡 健二, 斉藤 恵逸, 中林 安雄
    1985 年 34 巻 6 号 p. T62-T64
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究は,アルカリ性水溶液中での過酸化水素による酸化反応を用いて,ホルマリン廃液の簡便な処理法について検討した.反応生成物であるギ酸ナトリウムをイオンクロマトグラフィーにより定量した.実験の結果,調製したモデル液でも実廃液でも反応は定量的に進行した.又,8lの実廃液の処理を室温32℃の条件で行ったところ,反応液の温度は30℃から50℃に上昇する程度で,この処理法は十分実用に供することができる。更に,この処理法は発生源で簡便に行うことができるので,特に専門的知識を必要としない.
  • 成田 九州男, 北村 久代, 板谷 芳京
    1985 年 34 巻 6 号 p. T65-T69
    発行日: 1985/06/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    分析の前処理として試料の乾燥を行うことは,正確な分析結果を得るため最初に必要な操作である.より確実な乾燥を行うために乾燥の過程を検討し,24種類の乾燥剤についてその性能を比較した.又有機元素分析用標準試料50種類について吸湿実験を行い,吸湿性のない物質でも長時間室内に放置すると水分を吸着して分析値の偏りを生じることを確認した.実験の結果より,試料を乾燥保存するためには酸化バリウムなどの入ったデシケーターを用いて70℃又は試料の性質に応じてできるだけ高い温度に加熱して1夜以上減圧乾燥し,小型の乾燥容器に保存することが必要であった.
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