1986 年 35 巻 12 号 p. T136-T140
蛍光X線分析法において,ファンダメンタルパラメーター(FP)法をスラグ,岩石の定量分析に適用するために分析精度の検討を行った.スラグ分析では44μm以下に微粉砕した粉末試料のブリケットと仮焼き後希釈比を11として作製したガラスビード試料を,岩石分析では,希釈比5のガラスビード試料を,FP法により二酸化ケイ素,酸化アルミニウムなどの主要成分について定量分析し,検量線法との正確さの比較を行った.計算に用いたプログラムはXRF-11である.その結果,スラグのブリケット化試料及びガラスビード試料と岩石のガラスビード試料について,一部の少量成分を除いてほぼ同程度の正確さが得られた.更に本分析方法は,スラグ及び岩石分析において良好な繰り返し精度を示した.