1987 年 36 巻 6 号 p. 367-370
海水中の微量のCdを,水酸化ジルコニウム共沈法によって分離し,く形波ポーラログラフィーによる分析法について検討した.海水2000mlをビーカーに採り,Zrを30mg含む溶液を添加し,アンモニア水(1:2)でpHを8.2に調節してCdを共沈させる.常温で10分間放置した後,〓過分離する.4M塩酸25mlで沈殿を溶解し,蒸留水で希釈して正確に50mlとする.この溶液の一定量を採り,除酸素した後,-0.40~-0.80Vまでのポーラログラムを記録する.このときZrは, Cdの還元波に影響を与えず,良好な波形が得られ定量することができる.分析の結果,海水中に含まれているCdは0.00138ppmであった.簡単な方法で精度良く定量することができた.