分析化学
Print ISSN : 0525-1931
8-キノリノール-クロロホルム抽出/黒鉛炉原子吸光法による鉄鉱石中の微量ガリウムの定量
長谷川 信一小林 剛広瀬 文雄大河内 春乃
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1987 年 36 巻 6 号 p. 371-375

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抄録

溶媒抽出分離濃縮後黒鉛炉AASにより鉄鉱石中の微量Gaの定量を検討した.試料を過酸化ナトリウムで融解し水で溶出,塩酸を加えて酸性溶液とし,過塩素酸で白煙処理後,アスコルビン酸溶液を用いてFe,Tiなどを還元し,酢酸アンモニウム溶液でpH2.5±0.1に調整した.この溶液を8-キノリノール-クロロホルム溶液で抽出し,次いで硝酸で逆抽出し,マトリックス修飾試薬として硝酸ニッケル溶液を加え,黒鉛炉にボート状黒鉛板(プラットフォーム)を取り付けた原子吸光光度計で測定した.Tiを多量に含有する試料についてはアスコルビン酸の濃度を増加することでその影響を除くことができた.本法によるGaの検出限界(3σ)は26pgで,試料量り取り量を0.5gとした場合の定量値は0.13ppmに相当した.又,プラットフォームの使用で精度も向上し同一黒鉛炉で約300回まで安定した測守が可能となった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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