分析化学
Print ISSN : 0525-1931
鉱酸溶液系におけるサマリウム,ユウロピウムの蛍光特性とその蛍光分析への応用
上野 祐資笹岡 伸光森重 清利重松 恒信西川 泰治
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1988 年 37 巻 5 号 p. 263-268

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抄録

Sm(III)及びEu(III)の鉱酸(塩酸,硫酸,硝酸,過塩素酸)溶液の蛍光特性を検討し,それぞれの2mol dm-3塩酸溶液の蛍光{Sm(III):Ex.402nm,Em.597nm,φf(相対量子収率):1.41×10-4,蛍光の感度指標(F.S.I):5.47×10-8μm;Eu(III):Ex.395nm,Em.591nm,φf:1.9×10-3,F.S.I.:7.67×10-7μm}を利用して,希土類元素鉱物(ゼノタイム)中のSm及び蛍光体(YVO4:Eu)中のEuを定量する方法を確立した.試料を硫酸で溶解あるいは硫酸水素カリウムで溶融後,シュウ酸沈殿処理により得た酸化物を2mol dm-3塩酸溶液に溶解することによりEu(III)は直接精度よく定量できる.一方,Sm(III)の蛍光はバックグラウンドの影響を受けるが,ナローベースライン法を適用することによりその影響を受けることなく迅速,簡便に定量できた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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