水質分析において微量アルカリ金属の分析は最も煩雑なものの一つであるが,筆者等はNaを常法によってNaMg(UO2)3Ac9として沈澱させ,これを温湯に溶解してその中のMgをチタン黄によって比色することにより,比較的簡単に感度よく分析を行うことが出来たのでその結果について報告する.この沈澱は極めて完全に行われるから,Mgを定量すれば上記沈澱組成通りにNa:Mg=1:1として計算によってNaが定量出来る.従ってNa塩標準溶液からの沈澱操作を行わず,直接Mgを標準として用いることが出来るので便利である.