抄録
10種のN-メチルカルバメート系農薬の逆相クロマトグラフィーによる分離条件の最適化を行った.移動相は,メタノール,アセトニトリル,水の3溶媒の混合系を用い,実験値から保持予測式を作成して種々の溶媒条件でのクロマトグラムを予測した.最適化の評価関数は,相互情報量を表す関数FUMI(fUnctin of mutual information)を用いた.FUMIは分析の精密度と等価であり,FUMIを用いて得られた最適条件では分析の誤差が最小となる.クロマトグラム上では各ピークが分離しておりピークが鋭く高い条件がFUMIが大きく,又分析時間の短いものが最適条件として選ばれる.この方法を用い対象とした農薬を分離する最適条件を見いだした.