分析化学
Print ISSN : 0525-1931
顕微赤外用全反射吸収プリズムの開発と局所分析への応用
江崎 泰雄中井 恭子荒賀 年美
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 42 巻 3 号 p. 127-132

詳細
抄録

顕微赤外装置下での全反射吸収(ATR)測定法を開発すると共に,本法を局所分析に適用するための基礎的検討を行った.その結果,断面が"く"の字形の六角柱構造を有するATRプリズムの開発によって,顕微赤外装置の透過光路を利用したATR測定が可能になった.本法を点分析に適用したところ,試料面上の10μmオーダーの微小部のスペクトルが測定できた.又,試料を保持したプリズムを,プリズムの柱軸方向に移動しながら連続測定することによって分解能20μm,測定精度1.0%(RSD)で線分析できることが分かった.更に,プリズムの二次元方向の移動によって,1.3mm×6.6mmの視野の面分析が可能になった.以上の結果をもとに,本法を工業材料の分析に応用したところ,材料表面の局所分析法として有効な手段であることが確認できた.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top