分析化学
Print ISSN : 0525-1931
公共用水域水質モニタリングにおけるノンサプレッサー型イオンクロマトグラフ法及び気泡分節式水質自動分析計の適用の検討
小倉 久子大谷 保弘浜田 孝敏小熊 幸一
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 43 巻 12 号 p. 1093-1100

詳細
抄録

イオンクロマトグラフ法(IC法)及び,気泡分節式水質自動分析計(AA法)について,現行の手分析法との比較を行い,公共用水域の水質モニタリング調査にこれらの適用が可能かどうかを検討した.IC法は塩化物イオン,亜硝酸性窒素,硝酸性窒素,及びアンモニア性窒素について検討し,現行法の値とほぼ一致したが,亜硝酸性窒素はIC法のほうが定量下限値が高く,やや大きめであった.又,1mgl-1以下のアンモニア性窒素は共存するナトリウムイオンの影響で定量困難であった.AA法についての検討は上記4項目に加えてフッ素化合物及びフェノール類について行い,どれも現行法の値とよく一致した.AA法はIC法に比べて,海水も含めて環境水一般に広く適用が可能であり,処理速度も数倍速かった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top